今秋に、日本を代表するテック企業であるメルカリが、ポーランドでハッカソンを行ったことをご存知であろうか?
現在ポーランドは、世界中のテック企業から注目を浴びており、引く手あまたのエンジニア引っ張り合い競争が繰り広げられている地域のひとつだ。
東ヨーロッパ自体、近年様々な世界的なテック企業が注目している地域である。
ポーランドはヨーロッパ全土からアクセスもしやすく、ハッカソンなどのイベントをしても各地域から人が集まりやすいため、ハッカソンの会場としてもよく使用されている。
そこで今回は、これから様々な記事も増えていくであろうポーランドの概要を簡単に紹介する記事をGlobity編集部よりお届けする。
ポーランドの基礎知識
国民:約3,842万人(2017年:ポーランド中央統計局)
首都: ワルシャワ
面積:32.2万平方キロメートル(日本の約5分の4,日本から九州,四国を引いた程度)
主要言語:ポーランド語
宗教: カトリック(人口の約88%)
Where?
大陸性気候なので、はっきりとした四季がある。
高緯度のわりに寒さはさほど厳しくはない。冬は曇りが多い。
ハッカソンのポスターに溢れる街クラクフ
以下の写真は先日Globity編集部がポーランドのクラクフという都市を訪れた際の写真である。
この様に、街中に ハッカソンのポスターが貼ってあるほど、テック感度の高い街がクラクフなのだ。
既にヨーロッパでよく知られるような大企業はポーランドの都市へと進出しており、ヨーロッパの重要な頭脳として、以下の写真に写るクラクフやポーランドの首都ワルシャワの大学等と提携しながら、エンジニアの争奪合戦へと駒を進めている。それらの例のひとつとして、NokiaやIBM等は10年以上現地の大学との共同研究などを行い親睦を深め、学生にも親しみのある企業へと存在感を顕にしている。
また本年度の10月にメルカリのハッカソンもポーランドのワルシャワにて行われていた。
この様に、企業との共同研究をする環境があったり、比較的高頻度でハッカソンが開催されるので、この街で勉強すること自体、学生たちにとっても非常に刺激のある環境であることは間違いない。
エンジニアの宝庫 ポーランド
世界各国の企業が現在目を光らせていることからも予想される通り、
ポーランドは、世界屈指のエンジニア輩出国であるのだ。
プログラミング・コンテストサイトとしてよく知られる「ハッカーランク」によるとポーランドは、中国、ロシアに次いで、高ランキングを獲得しているほどである。
(統計は2016年のもの)
その他、大学対抗のプログラミングコンテストである、ICPCでも毎年上位を獲得しており、世界的なエンジニア不足が起こる現在において、これらの豊富なエンジニア人材は国家として大きな強みとなっている。
しかし、国内の経済状況などもあり、このような人材でさえも比較的安価な労働コストで働いている場合が多い。
その結果、欧州の主要なアウトソース先となったり、Samsungなどの外資企業も開発拠点などを置いていたりする。
しかし現在のポーランド国全体で掲げられている課題として、長い間オフショア開発地として発展してきた故の経営人材の不足が挙げられている。
このような課題を解決し、官民一体となりこのテック人材プールを活かした発展をすべくして、
スタートアップの支援を中心にさまざまなプロジェクトが動いている。
【政府】
★2016年6月に政府が発表した起業家支援プログラム
「スタート・イン・ポーランド」
▶7年間で1,500社のスタートアップ支援
▶予算 約30億ズロチ(約960億円)
《具体的なプログラム内容》
ポーランド開発基金(PFR)が統括。さまざまな機関が提供する70に及ぶプログラム
カテゴリは主に3つ
「アイデア」「拡大」「海外進出」
各スタートアップのニーズに合わせて必要な情報が得られるような仕組みが作られている。
★2018年2月から
海外スタートアップの誘致のためのプログラム
「ポーランド・プライズ」
海外スタートアップがポーランドに拠点を構えることを条件に最大20万ズロチの補助などを中心とした各種支援
【民間】
ポーランド開発基金(PFR)の支援のもとベンチャーキャピタル立ち上げプログラムも進行中。
国営企業を中心にCVCの立ち上げの動きも活発になっていて、特にシード期、アーリーステージの資金は比較的潤沢である。
ポーランドエンジニアの強み。
各大学に存在するサイエンスクラブ
ポーランドは各大学に、サイエンスクラブというものがある。
日本の大学でいう「サークル」のような存在だ。しかし、ただの「サークル」ではない。彼らの持つサイエンスクラブは長い歴史を持ち、クラブとして独立しながら、さまざまな企業と共に共同研究を行っているそう。
Globity編集部が先日訪問したAGH科学技術大学(ポーランドアカデミー科学技術大学)
のIT関連学部には4つのサイエンスクラブがあり、4つとも、企業と共同研究をおこなっていた。1つの団体につき約600名の学生が所属しており、もはや大企業のリサーチ部門レベルでの研究がこれらの団体が運営されているのだ。
(写真はGlobity編集部 の田中文章 氏 AGH訪問時の写真)
特に「専門性」が重視される欧州において、大学時代からの経験の積み重ねは非常に重要なものであり、大学時代から「共同研究」という形でエンジニアとして企業の開発に関わり続けることは彼らのキャリア形成の手段として、非常に重要なポイントとされているのだろう。
この様に「即戦力」となるような優秀なエンジニア人材プールを豊富に抱えるポーランドは今後も目を離せない重要な1国となることは間違いない。
東欧諸国は全体的にエンジニア人材は豊富である。しかしそれぞれの国の歴史や、教育の違いから様々な特徴があり、ポーランドもポーランドとしての色を見せたITの特徴が垣間見られた。
(情報提供・写真:田中文章 / 執筆: 馬本 ひろこ)
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