今週のGlobity Newsはタイ・バンコクで行われたスタートアップピッチイベントのレポートである。
Seed Starsは、新興市場や急成長するスタートアップの市場を対象として行われる世界的なスタートアップ・コンペティションだ。
各国で予選が開催され、各地の予選を勝ち抜いたスタートアップが、Seed Stars の本部があるスイスジュネーブでの決勝で戦う。この決勝では、優勝すると100万米ドル資金調達のチャンスを得ることができる。
今回タイ・バンコクで行われたSeedstars Asia Summitはピッチやワークショップ等を通して、アジアの各国で選ばれたスタートアップとアジア地域で活躍する投資家などとの交流を行う事を目的に開催された。
プログラムは数日間に渡って開催され、イベントの最終日である11月30日に各国で優勝したスタートアップがピッチを行なった。本記事は、主に最終日に招待制で行われた、ピッチイベントの様子を紹介する。
各国を勝ち抜いたスタートアップ
こちらでは世界各国を勝ち抜いたスタートアップを一部紹介する。
今回のサミットでは、インド・シンガポール・香港・上海・マレーシア・タイ・バングラデシュ・インドネシア・ベトナム・カンボジア・スリランカ・ミャンマー・ネパールなどのスタートアップが登壇し、ピッチを行なった。
インド
Wobot
拠点:ニューデリー
HP : https://www.wobot.ai/
監視カメラとAIの技術を融合させ、機械で監視カメラをチェックするというシステムを開発・提供するスタートアップ。スマートシティの開発、小売業、鉄道などの交通機関、建設業など様々な業種やシーンでこの技術が利用されているそう。
シンガポール
Smart Peep
拠点: シンガポール
HP: https://www.smartpeep.ai/
AIを利用した、看護モニタリングシステム。領域はHealth Tech。
患者の動きをモニタリングして、ハプニングが起こった際
(EX.一人で起き上がろうとしている時、夜間ベットから消えたとき、患者がベットから転落したとき等)
に看護スタッフに知らせるシステム。
バングラデシュ
Parkingkoi
拠点: ダッカ
HP: https://parkingkoi.net/
バングラデシュのオンラインパーキング予約プラットフォーム。
特にダッカでは駐車場問題が深刻である。
アプリ上で空車の駐車場を選択・予約するというシステム。空車の駐車場は、アプリ上で確認することができる。
インドネシア
PT Expedito Global Indonesa
拠点: ジャカルタ
HP : https://www.expedito.co.id/
国際輸送の価格比較・オンライン予約ができるプラットフォームを運営するスタートアップ。DHL, TNT, Aramex, FirstFlight, City-Link, ABS Xpress, DPEX, AIRMAIL POST OFFICE,EMSなどの輸送サービスは、このプラットフォームを利用すれば使うことができる。
カンボジア
Joonaak Delivery
拠点: プノンペン
HP:https://www.joonaak.com/
小規模ビジネスを対象にした配送サービスのプラットフォームを展開している。
Joonaakが提供している、予約プラットフォームを通して予約管理を行い、配送まで行う。
配送する物については、書類から梱包が必要な物まで取り扱っている(梱包サービスもお提供している)。
スリランカ
Direct Pay
拠点: コロンボ
HP: https://www.directpay.lk/
スリランカの国内市場を対象に展開されている、モバイル決済サービス。
ネパール
Food mario
拠点: カトマンズ
HP :https://foodmario.com/
料理の作り手と注文者を繋ぐプラットフォームを運営している。
レストランのみならず、主婦なども料理提供者として登録すれば、このプラットフォーム上で、注文を受けることができる。
アプリが近々リリースされるとのこと。
総評
今回のイベントは、各国を勝ち抜いたスタートアップの起業家と投資家を繋ぐなどのネットワーキングに力が入れられていた。これらのピッチの他にも、女性起業家と投資家によるパネルディスカッションや、Google , Go-Jek, True-Digital parkからの登壇者によるプレゼンテーション等が行われた。
これらのコンテンツの合間にネットワーキングが挟まれていたが、起業家と投資家が盛んに交流する場もあり、大盛況であった。東南アジアを中心としたアジア諸国が集結し、イベントは行われたが、各国のそれぞれの市場の特徴を活かしたスタートアップが選ばれて来ているという印象を受けた。今回のイベントの全体の総評としてはAIを活用したスタートアップが多く、アジアスタートアップのトレンドとしてAIは今後も重要なキーワードとなる印象を受けた。
(取材・執筆 :馬本 ひろこ)