Work in Japan. 技術をもって海外から日本で働くことを決めた彼らと 日本の企業文化

Work in Japan.  技術をもって海外から日本で働くことを決めた彼らと 日本の企業文化

Work in Japan.
ーー日本で「働く」というのはどういうことなのだろうか?
多くの外国人に、日本のイメージを聞いてみる。

帰ってくる答えの多くは「満員電車」「時間に超厳しい」「ザンギョウ」…
インターネットが世界中を繋ぐ 今の時代、日本の労働状況 についての情報も世界に伝わるのは早い。そしてインターネット上において「負」の叫びは、なおさら伝わりやすい。

もちろんその叫びは伝わるべきものであると多くの人が考え「共感」するのだから仕方がない。
けれども「負」の叫びがある一方、日本の労働状況、労働観が変化しているのも事実だ。

しかし「良い状況の変化」については実はインターネットの世界では、「負」の主張と比較するとなかなか伝わりにくい。

今回のインタビューでは、「外国人が日本で働くリアル」をだしてもらって、日本企業文化の良い部分・悪い部分 を洗い出し、外国人と日本人が ともに「地球人」として互いに働きやすくするための仕組みづくりについて 発信しようと考えていた。

しかし、嬉しいことに 彼らが働いている 「日本企業」について、彼らから返される答えは、想像以上にポジティブな意見。いや、ポジティブすぎる くらいの意見だった。

そして彼らの話には、日本で働く外国人 と 日本人 の良好な関係づくりのヒントが詰まっていた。以下、インタビューよりその 関係づくりのTipsをお届けする。

今回インタビューを行ったのは、ヒューマンリソシア が提供するサービス GIT(Globai IT Talent) サービス で採用された エンジニア の3名 だ。
本サービスの詳細についても、インタビューの後に詳しく詳細を書いているので読んでいただきたい。


3人のエンジニア にインタビュー

-都内某所-
GITプログラムで 日本に来て、主に関東で働いているエンジニアたちが 都内某所に集まった。そこで、取材協力をいただいた3名のエンジニア の方 に、今回はお話をきいた。

ーー簡単に自己紹介をお願いします。

オサム: 私は オサムです。モロッコからきました。横浜で働いています。AI分野の開発に携わっています。

トビ: トビ です。スウェーデンから来て、横浜で働いています。オサム さんとは違う会社ですが、僕も同じくAI分野の開発に携わっています。

スリカント:スリカントです。 インドから来て、川崎で働いています。僕はMiddleware分野の開発に携わっています。


ーー日本で働きたいと思った理由、そして みなさんが感じる日本の魅力について教えてください。

オサム日本語と日本文化が好きで働きたいと思うようになりました。
日本の事を知ったきっかけはアニメです。
アニメを見ているうちに、「日本」のことを知りたくなって自分で調べていくうちに 日本文化と日本語が好きになっていきました。
自分が勉強した日本語だったり、文化についても実際に行って実践してみたい!
という気持ちが強くなり、日本に来ることにしました。

トビ:元々4年前日本に留学していて。そのときに韓国出身の彼女ができて。(笑)
その彼女も今日本で働いているので、日本で働くことにしました。

スリカント: 大学2年のときに何か言語を勉強しようと思って、日本語を勉強し始めたんですよね。
それがきっかけで、ずっと日本語を勉強し続けてきたので「日本で働こう!」と思いました。最初は、インドにある日系企業で働いていて、出張とかで日本に来ていました。その後、今度は実際に日本で働いてみたい!と思ったので日本に来て働いてみることにしました。

 

ーーなるほど…!ちなみにいつ頃日本にいらしたんですか?
オサム: まだ来たばかりです(笑)

 

ーーえっ!? ちなみにお二人は…?
トビ:僕は2018年の6月に来ました。

スリカント:僕は2015年の10月から日本にいます。最初は今のGITプログラムではなく、個人的に職を探して日本に来ていて、岐阜にいました。

 

ーー日本で働いてみて、 想像していた日本と実際の日本 ってどう違いましたか?
オサム:うーん、忘れたかも(笑)

(皆 爆笑)

スリカント:(満員)電車の動画を見てて、満員電車を想像していたんですけど
意外とそうでもなかったっというのはあります。
もちろん、満員電車に乗る時期もありましたが…
今は住むところを変えて 満員電車には乗っていません。(笑)
やっとわかったのが「住む所をちゃんと選ばないといけないな…」っていう。(笑)
住む所さえ、 気をつけていれば 案外 満員電車 に遭遇しなくても済むこともあるので、どこに住むかがだいじなんだな…と今は思っています。

 

トビ:イメージはいつもスーツを「着なきゃいけない」と思っていました。
けれども、それって お客さんと会う時だけでいいと知って驚きました。

思っていたよりも自由なスタイルだなあ…!というのが個人的なイメージですね。

ーーなるほど…!ということは、思っていたよりもいいイメージだったんですね!
ちなみに今日 オサムさんはスーツを来ていらっしゃいますけどいつもスーツを着ていらっしゃるんですか…?

オサム: そうですね。
今の会社にスーツを着るっていうルール は特にないんですけど、スーツを着てます。
たまに私服で仕事に行くこともよくありますね。

 

ーーあっ!そうなんですね!スーツ似合ってる!!めっちゃかっこいいです!!!!
(思わず スーツ姿の格好よさに、正直に かっこいいといってしまうインタビュアー馬本 でした。)

オサムちなみに私が想像していた日本のイメージとは、いい意味で大きく違ったというのが想像と現実のギャップでした。日本に対しては、「スーツを着なきゃいけない」とか「残業」をしなくちゃいけないというイメージをもってかなり身構えてきたんですけど、実際に働いてみると 思っている程硬くなく、しかもすごく優しくてサポートしてくれる環境もあって、すごく今は楽しいです!残業もしていません。

 

◆◇◆

ーー日本人との文化の違い など「理解できない!」と思うことはありますか?
もしあれば、教えてください!

オサム: そうですね…理解出来ないことはあったりします。そういうことが起こったときには、なるべくすぐにコミュニケーションを取るようにしています。具体的に互いに理解できるように話したりしながら
ここを理解しなかったとしても、理解できなかった場合はその考え方を「覚える」しかないと思っています…(笑)
ほとんど、互いにわかり合えることの方が多いので、特に困る ことはないですが。

トビ:今のプロジェクト先は外資系企業のため、社内の人はみんな英語を話したりできるので、
基本の会話は日本語でして、困ったときに 英語で聞いたりすることもできるので特に困ることなどもあまりありません。

ーーえ!すごくそれいいですね!
実は、みなさんそれぞれ日本の企業でも、結構英語でコミュニケーション取られているって方多いんですか…?

オサム: 私のボスとは英語で結構話すこと多いです!

スリカント:僕のチームは僕以外全員日本人なので、会話はほとんど日本語です。
でも、僕のチームのリーダー は2週間に1回くらい 海外に行っている方で。
「たまには英語で喋りましょうよ!!!」
みたいな感じで言ってくれたりとか。
なので その方ともうひとり英語を話せる日本人の方と3人で、たまに英語でミーティングをしたりもします(笑)


ーー面白い(笑)
英語で話すことが一種のエンターテイメントになっているんですね…!

オサム:私も仕事以外のとき 英語でメッセージのやり取りをしたり、英語で会話したりしています。
飲み会 の時とか特に(笑)仕事のときは日本語ですが。

酔って皆で英語で話したりとか しています。

 

ーー…え。すごく楽しそう…(笑)
ちなみに 日本の飲み会 は、どんな印象ですか?

スリカント:うーん… まぁ飲み会 ってとにかくいろいろ話せますよね…!(笑)

皆 : たしかに・・・・!!!! 間違いない!
(みな 同意 と共に 爆笑 が起こる。)

スリカント:フラットな場所で、いろいろ話せて。飲み会で面白いことを教えてもらえたりとかして。すごく楽しいですよね。

ーーちなみにどんなことを教えてもらったりするんですか?

スリカント:例をだすとすると…「ツッコミ」とかを教えてもらいました(笑)
みなさんも、日本から帰るまでに 「ツッコミ」を習得してください 笑

 

◆◇◆



ーーでは、最後になりますが、外国人と日本人で働く上で、 大事だと思うポイント って何だと思いますか…?
教えていただきたいです!


スリカント:日本 には、「しっかり最後まで説明を聞いてから」質問する。
みたいなところを大事にしているな…と思いますし、良い文化だな〜と思います。

オサム:私が大事だと思うのは「リスペクト」と「オープンマインド
それが大事だと思います。


スリカント:逆に 「外国人だから」僕らに対して厳しくしていないんじゃないかな…とすごく思います。ただ「連絡」は大事だと思います。この「連絡」をしないと 怒られる なんてことはありますよね。

オサム:外国人は結構 優しくされているんじゃないかな…と思います。
日本人は自分に対してすごく厳しかったり、日本社会 の中で育ってきたことによる社会からのプレッシャーみたいなのをすごく感じて働いているなあ…と思うことが多いです。

日本で働く外国人としてすごく「優しくされている」という自覚があって…
我々は、逆に いろいろと指摘されたりしない分、迷惑を掛けたりしないためにも
自分からいろいろ気づいて 考えて行動しないといけないなと思います。
スリカント: 「間違えている」と思ったり、「何か問題がある」と思ったらとにかく「連絡」しなければならないというのは日本の文化なのかな?と思います。

たとえばインドだと、何か違和感を感じても「一旦待って様子を見てみよう」みたいな考え方があるんですけど、日本だと「まずい!」とおもったりした瞬間に 「連絡」をして修正をする みたいな文化を大事にしているのではないかと思います。
だから、日本で働く上では 「連絡」をすること「報告」をすることが大事だと思っています。

 

ーーまさに「ホウ・レン・ソウ」ですね…。さすがです。

スリカント:そう です!「ホウ・レン・ソウ」です。

 

ーーもはや 日本文化 が浸透していますね…むしろ日本人である私の方が改めてたくさん学ばされます(笑)
本日はありがとうございました!

(全員で写真撮影しました。)

彼らは、ヒューマンリソシアに正社員として採用され、のGITGlobal IT Talent)サービス のエンジニアとして、日本で活躍している。

GIT(Global IT Talent) サービス とは?

本サービスではヒューマンリソシア が世界各国にて、地元の大学と連携したり、自社媒体を使いながら、優秀で技術力の高いIT人材を集め GITエンジニアとして採用している。海外現地では、グループ会社のノウハウをした日本語教育を提供するなど、来日後、即戦力として日本で活躍できるようサポートもしている。。

そして、来日後は、日本国内企業のプロジェクトに、派遣するというサービスだ。外国人を日本で採用する際には、様々な手続き、そしてサポートが必要とされる。
その手続きやサポート等も同社が支援するため、日本に働きに来る外国人側としても、心強いサービスである。

2016年の7月にサービスが開始してから

2019年2月現在約500名の外国人エンジニアを採用している。
2020年には、現在の倍強となる,1000人まで採用数を増やし、海外IT人材プールとして 拡大していくとのこと。

実際に派遣してみた企業 からの反応は?

GIT サービス について、詳しく書いてある同社の記事があったので、そちらから、抜粋した情報によると、

GITサービスが浸透するにつれて、クライアント企業から「外国人エンジニアが加わると職場の活性化につながる」と評価する声も増えてきたとのこと。

実際に受けたクライアント企業 からの声としては、

「日本人ばかりの環境に外国人が加わることで、職場の刺激剤になるんです。

会社としてはグローバル化を目指しているものの、現場のグローバル化が進まないと悩んでいる企業では、『外国人エンジニアには英語で話してほしい』と要望されるケースもあります」

という声もあるとのこと。

GITサービス に込められた想い

GITサービス の責任者であり、ヒューマンリソシア経営戦略室バイスプレジデントの入江直樹氏 によると、

ーー世界中のエンジニアが日本の扉を開くときの『鍵』になりたい

そして、これからのIT業界を考えたとき、エンジニアは場所に縛られて働くのではなく、自分のやりたい仕事を、やりたい場所でやりたいように働くというワークスタイルと、国境を越えて活躍できるスキルが求められるようになると思います。

自国を出て日本で働いてみたい、日本で働いた経験を活かして自国に戻ったり、また別の国で新たにチャレンジしてみたい、という海外エンジニアに活躍のチャンスを提供するハブ(中継拠点)として、 GITサービスを育てていきたいです。
とのこと。(https://www.athuman.com/innovation/2018/vol62/より)


国内の雇用が充実している国もあれば、自国産業が未成熟がゆえに海外に出なければならないなどの事情など、世界には様々な背景や状況がある。

その状況下の中で、「日本」という国で働きたい と思ってくれる海外人材がいることを忘れてはならない。
彼らが、日本で働きたい!という希望を叶えやすくする仕組みが現在用意されているということ、そしてこれから「日本で働きたい!」と思った外国人 が、日本社会の中でも生きやすくなる仕組みを作っていくことが必要とされていくであろう。

(取材・文 ・撮影 : 馬本  ひろこ )

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