ロシアのIT都市カザンでリモート・エンジニアチームを率いてブロックチェーン事業に取り組む日系スタートアップLasTrust
世界レベルで活躍するエンジニアを輩出するロシア、その中でもIT先進都市としてカザンは有名です。日本発のStartupであるLasTrust社はそんなカザンで集めたロシア人エンジニアをリモートチームとして採用して、日本からオンラインでブロックチェーンの事業を進めています。
今回は、そんなLasTrust社CTOである髙橋 翔太(Takahashi Shota)さんに、「なぜロシア人エンジニアなのか?」「リモート・エンジニアチームを率いての仕事はどうなのか?」など様々なお話をお伺いしたインタビューの内容をご紹介します!

日本発のブロックチェーンStartup・LasTrustとは?
LasTrust(ラストラスト)は、ブロックチェーン証明書発行システム「CloudCerts(クラウドサーツ)」を用いて、あらゆる紙の証明書をデジタル化し、テクノロジーの力でより良い世界を築き上げることをミッションに掲げた日本発のブロックチェーンStartupです。
IT大国ロシアの中でも、テクノロジー分野で力を入れるIT都市カザンからのエンジニアをリモート採用・チームとして率いて、紙の証明書やjpg、pdfなどの画像データをブロックチェーンで安全保証化されたデジタル証明書へ変換するサービスを展開しています。
今回インタビューにご協力いただいた髙橋 翔太(Takahashi Shota)さんは、LasTrust社の共同創業者であり、ロシアのエンジニア・リモートチームを率いて開発や研究プロジェクトも担当されるCTOとして活躍されています。

なぜロシアでリモートチームを作ることになったのか?
もともと海外でエンジニアのリモートチームを作ることはLasTrustのCEOと話をしており、はじめは東南アジアやインドなどが候補としてあがっていました。
しかし、ロシアについての話を聞くと「ロシアはあまり詳しくないけど、話を聞く限り面白そう」という気持ちが上回り、ロシアを選ぶことになったとのことです。
CTOの高橋さんは、もともとバックパッカーとして様々な国に旅行に行ったこともあるので、外国の人と働くことにはまったく抵抗などもありませんでした。
LasTrust社内の言語は?
LasTrust社内での仕事は基本的に全て英語を通して行っていますが、双方が英語のネイティブスピーカーではないことが逆にお互いを理解しようとする姿勢に繋がっているとのこと。
LasTrustのロシア人スタッフも日本語の簡単な単語を少しずつ自分で勉強してくれており、またCTO高橋さんもスタッフから少しずつロシア語を教えてもらっています。

チームとして働いて分かったロシア人エンジニアの力
ロシア人エンジニアをリモートチームとして採用して、彼らの技術力や経験の豊富さ・主体性の高さなどロシア人エンジニアのポテンシャルを日々感じているとのことです。
もともとロシアでは、大学生のころから実際にプログラムを用いて開発をすることが多く、20代前半や10代後半ですでに実践的な開発経験を持つ人が多く見られます。また実践から様々な経験を得て、若いながら自らの技術力を高めています。
高橋さんによると、大学で学ぶ理論も大切ですが、やはり実際に現場で仕事をして得られる知識のほうが大切だとのことです。
ロシア人エンジニアは自ら試行錯誤をして仕事を進めていくので、主体性も高く、開発の際に向こうから「このようにすればどうでしょうか?」「こうしてみると効率がいいかもしれません」という提案が来ることもあります。
このような主体性は特にStartupでは重要で、高橋さんも関心しているとのこと。
「日本とロシアのビジネス文化コンテキストが似ているのかもしれない」そう語る高橋さんは、当初、ビジネス文化の違いやコミュニケーションについて心配している点もありましたが、実際は問題にもならず、逆にロシア人スタッフの力に関心し、採用を増やしたとのことです。

エンジニアリモート・チームを率いるために心がけていること
LasTrustのCTO高橋さんによると、エンジニアリモート・チームを率いるために心がけていることとして、「メッセージの伝え方を意識する」「多すぎると感じるほどメッセージをする」「チームの一員であることを意識させる」などがあると言います。
もともとお互いがネイティブの英語話者ではないので、何か情報共有をしたり報告をする際は、できるだけシンプルに、でも大切な情報はしっかりと伝えるということを意識することが大切とのこと。お互いが母語でコミュニケーションを取らないからこそ、メッセージの構造なども意識すると、相手が理解しやすくなります。
また、コミュニケーションのギャップをなくすために、頻繁にメッセージをするように意識もされています。多すぎると感じるほどメッセージをすることで、直接会話ができない分を補い、また、チームの中での信頼も強くなっていくとのことです。
最後に高橋さんが心がけていることとして、ロシア人スタッフがLasTrustのチームの一員であることを自覚させることを挙げられています。これは、エンジニアがオフショア注文で流れ作業で仕事をするより、自分の会社のため、自分のチームのためにプロダクトを作っているという意識が芽生えることで、スタッフのパフォーマンスやチームワークもより向上されるということです。

終わりに:LasTrustの今後の目標
LasTrustは現在ブロックチェーンを活用したデジタル証明書などの作成サービスに取り組んでいますが、今後の目標として教育分野への進出を視野に入れています。
そのためにも、資金確保やより多くのエンジニアを採用して、目標達成のため進んでいくとのことです。ユニークで優秀なチームとともに進み続けるLasTrustに今後も注目です。
LasTrust 会社情報 会社名 : LasTrust株式会社 設立日 : 2019年8月9日 お問合せ先メールアドレス : info@lastrust.io 特許 : 真正担保システム、担保バッジ、担保バッジ表示システム、真正担保システムのプログラム、担保バッジ表示システムのプログラム [出願番号:特願2019-218437にて申請済] LasTrust公式ページ: https://lastrust.io/
参考:Samurai Talk c Шота Такахаши сан: CTO из LasTrust (日本語)