IT分野で世界から注目を集めるタタールスタン共和国のポテンシャルとは
ロシア連邦は毎年世界レベルで活躍するITエンジニアを大勢輩出している隠れたIT大国です。実際に、2015年のUNESCOの調査によると、ロシアがエンジニア輩出国で世界トップというデータもあります。
特にロシアの中にあるタタールスタン共和国は政府がIT先進地域として太鼓判を鳴らし、国レベルで発展計画が行われています。ロシア連邦のメドベージェフ大統領とタタールスタンのルスタム大統領らによって、イノポリスというIT特区も設立されており、IT分野での研究も進んでいます。
今回は、そんなタタールスタン共和国の急速に発展するIT分野・経済規模・そしてタタールスタン共和国で活躍するIT企業についてご紹介します。
タタールスタン共和国のIT分野
タタールスタン共和国は、ロシア連邦にある主権も存在している22の共和国の内の1つです。タタールスタン共和国は、ロシアの他の地域よりも、ITやテクノロジーの分野で大きく成長を続けており、ロシアだけでなく、世界からも注目されています。
実際に、世界レベルのイベント(国際技能競技大会:WorldSkills Compeition)なども開催されています。これらのことから、ロシアの他地域からも地域発展の成功例として挙げられています。
タタールスタン共和国のIT分野の前進に大きな貢献をしている施設としてイノポリスと呼ばれるIT特区があります。イノポリスについては、GLOBITYの他の記事でも取り上げました。
イノポリスでは、世界レベルで存在感を出すIT大企業・カスペルスキーが提携を結んだり、ロシアのGoogleとも言われるYandexが自動運転自動車の試験運転を行っている地区です。
また、タタールスタン共和国には、イノポリス大学・カザン連邦大学などIT分野で世界トップ100に入る大学も集まっており、最先端テクノロジーが今も研究されています。
タタールスタンIT分野の経済規模
それではタタールスタン共和国のIT分野での経済規模はどれくらいなのでしょうか?
経済規模に関するデータ結果は分析方法などで差がありますが、タタールスタン共和国のIT分野は年間約300万ドル相当の経済効果を生んでいるというデータがあります。
これは、PCとサーバー、ネットワーク機器と構内配線の納品、タタールスタン共和国ない地元企業のソフトウェア開発、ソリューション導入、システムインテグレーション、セールスなどを含めた金額です。
しかし、タタールスタンでIT企業を持つ経営者は、この数字はかなり大きくで、実際はおよそ100万ドルほどであるという主張もあります。
モスクワにある企業からの投資なども含めて、IT分野の年間経済規模は約100万ドルほどが実質的な数字であると思われます。また、タタールスタン共和国の企業家は、タタールスタン共和国のITサービスの高いクオリティーも考慮すると、100万ドル超あるとのことです。

タタールスタン共和国のIT会社の数
タタールスタン共和国にはどれくらいのIT企業があるのでしょうか?
IT企業フォルト・ディアロク<Форт Диалог>のブラディミール•ニテンコCEOによると、現在タタールスタン共和国にはおよそ100以上のIT企業があると言います。そのうち、80のIT企業が首都カザンにあると言われています。
タタールスタン共和国にあるIT企業の大半はシステムインテグレーション分野でビジネスを展開していますが、独自の技術を生かしてニッチな市場を獲得しようとするIT会社もあります。
このようなタタールスタン共和国のIT分野での強さに機会を見出した日本系ITスタートアップLasTrustは首都カザンでロシア人エンジニアから成るリモートエンジニアチームを作り、ブロックチェーンでオンライン証明書サービスを提供しています。
おわりに
いかがでしたか?「近くて遠い国」と呼ばれるロシアの中にあるタタールスタン共和国は独自の文化・歴史・言語を持つユニークな場所です。そして、日系IT企業を含む世界から注目を集めるタタールスタン共和国のIT分野は日々前進しており、今後の成長に期待が高まります。